霊的成熟を求め

9月17日 ヘブル13章7、17~19節
増田清世師

この世の指導者と聖書が語る霊的指導者には、大きな違いがあります。イエス様もマタイ20:25,26で、「あなたがたも知っているとおり、異邦人の支配者たちは彼らを支配し、偉い人たちは彼らの上に権力をふるいます。 あなたがたの間では、そうではありません・・」と語ります。
霊的指導者は「仕える人、しもべの人」です。

1.霊的指導者とは
霊的なリーダー、教会の指導者について、「神のみことばをあなたがたに話した指導者たちのことを、思い出しなさい。彼らの生活の結末をよく見て、その信仰にならいなさい」とあります。
教会の霊的指導者の4つの条件があります。
1)「神のみことばを忠実に語る者」2)「神のみことばに生きる者」3)「神に弁明する者」4)「魂の
ために見張りをする者」 です。
1)「神のみことばを忠実に語る指導者」は、聖書をよく読み、理解し、分かり易く正しく説教す
ることが求められます。祈りと「聖霊の助け」により、みことばの真理を前面に掲げ、解き明かし
ます。神に聴き、神の御旨を語る指導者です。
2)「みことばに生きる指導者」は、何よりも信仰と生活が模範とされます。「その生活の結末をよく見て、その信仰にならいなさい」とあります。
3)「神に弁明する指導者」教会に導かれている一人一人の魂を見守る指導者です。その務めをどれだけ忠実に果たしたか、終わりの日に神に報告する義務があります。
初代教会の信仰者は、常に終わりの日を意識していました。私たちは、最後の総決算の時があることを、信仰生活の中でどれくらい意識しているでしょうか。
4)「魂のために見張りをする指導者」
「魂のために目覚めている、心を配っている」指導者です。
霊的指導者の働きを主の弟子ペテロは、「神の小羊を牧する」と語っています。
1ペテ5:2「あなたがたのうちにいる、神の羊の群れを、牧しなさい。・・、神に従って、・・・心を込めてそれをしなさい。」
旧約では霊的指導者の働きを「見張り人」と言います。
エゼ3:17「人の子よ。わたしはあなたをイスラエルの家の見張り人とした。あなたは、わたしの口からことばを聞くとき、わたしに代わって彼らに警告を与えよ.」
私たちは、この時代に立てられた見張り人です。
日本と世界の現状は希望の見えない悲惨な状況です。
この危機的状況の中で、私たちは霊的洞察と神の知恵を祈り求めつつ進む必要があります。

2.祈りとみことばの実践
霊的指導者に大切なのは、祈りとみことばの実践です。
牧師、伝道師、宣教師はその立場にある人々です。教会の役員や執事も牧師と共に教会の霊的指導者です。教会学校の奉仕者も子どもたちに神の言葉を語る霊的指導者です。信仰の年数の長さとか、社会的な立場や、地位、名誉といった基準で選ばれるのではありません。
「霊的な資質」が問われます。主の御心を第1とし、御言葉に生き、祈りに熱心であることです。
完璧な人は一人もいません。大切なのは、いつでも主に信頼しているかです。
私たちは神の愛によって仕え合う神の家族です。主の恵みを証し、助け合い、励まし合う群れです。
私たちの霊的成長は、神のみことばという霊の糧に日々心が養われることです。教会の礼拝では説教を通し、霊性が養われます。信仰の喜びに満たされ、主と教会と人々に仕えます。
祈りは霊の呼吸、信仰生活のライフラインです。
罪と欲望の渦巻く社会は、神を崇めず、神を疑う世界です。霊的な呼吸である祈りは、このような環境を打ち破り、神を喜ぶ生き方に徹する力を生み出します。
「愛なる神の御旨」を深く悟ることができ、霊的ないのちに満たされ、霊的健康が維持され増進します。
ですからパウロは「絶えず祈りなさい」と語ります。
祈りなくして、主を喜ばせる働きはできません。この世と調子を合わせていては、祈りは形だけの力のないものになってしまいます。一つ一つ主に信頼して祈りつつ着実に歩み続けたいものです。イスラエルの霊的指導者のひとりサムエルは「わたしもまたあなたがたのために祈るのをやめて、主に罪をおかすことなどとてもできない」と告白しています。(Ⅰサム12:23)霊的指導者はその託された民の為に祈り続けます。
祈るというクリスチャンライフの基本に忠実に歩む者は、主のすばらしさを味わい知るのです。

3.祈りと霊的向上   
ヘブル書の著者は、祈りが神に直結する力ある武器であることを知っていました。自らも一人一人の名前を挙げて祈り、この手紙を読む人々に祈りを要請しています。
ヘブル書の著者は、信徒の祈りと大牧者イエス様の支えを強く意識しています。『何事についても正しく行動しようと願っている』ので、もっと熱心に祈ってくださいと懇願しています。
指導者は群れの兄弟姉妹の熱い祈りと大牧者イエス様に支えられて、良い働きを成すことができます。「祈り、祈られる」溢れる恵みです。その祈りを「神が聞き届けられる」素晴らしい祈りの実践です。それは私たちの尊い奉仕であり、最高の特権です。
パウロの多くの主の働きはパウロが一人で成し遂げたことでなく、背後に多くの熱い祈りの協力があったのです。(Ⅱコリント1:11)祈りは、私たちの思い願いをはるかに超えて、驚くほどの力を発揮致します。
1984年6月韓国ソウルで世界宣教祈祷大会が開かれました。赤羽から,今は天におられる石川弘司牧師と数名の教会の指導者が参加しました。この時の恵みに応え東京で半徹祈り会が開始され、隔週水曜日の夜10時から6,7名の近隣の牧師、信徒が集い夜中の祈りが積まれました。超教派の宣教協力が活発になり、麗しい形で成されました。神の働きが点から線へ、線から面へと展開、拡大しました。北赤羽キリスト教会は半徹祈り会の一つの実であります。赤羽聖書教会が宣教拡大計画のヴィジョンを掲げ、教会のわざとして取り組み、祈り、実を結んだのです。
1994年4月、福音の未伝地であった浮間に北赤羽伝道所として開所したのです。今年は宣教開始以来23年、この10月で献堂14年です。
2016年牧師交代がなされ、幼子からご高齢の方々ともに喜びの礼拝がささげられ、交わりが与えられています。背後の祈りの力強さ、生きて働かれる主を体験しました。
祈りのあるところ、一致のあるところに、御霊なる神様の豊かな働きを見ることができます。
霊的指導である牧会は、神から委ねられた大切な羊の群れを神のみことばを以て養い、神の計画に従って歩めるよう、神に祈り、委ね、信仰と愛と忍耐をもって成す神の働きです。
愛なる主が砂原先生ご夫妻を、私たちの霊的指導者として遣わしてくださいました。先生ご夫妻が良いリーダーシップを発揮できるよう私たちは祈る務めがあります。
また指導者を通して語られる神のみことばに聴き従うことが大切です。ヘブル13:17には、指導者たちが『喜んでそのことをし、嘆いてすることにならないようにしなさい。そうでないと、あなたがたの益にならないからです。」と勧めています。
聖書は、神様が召された教会の指導者に対し、正しい理解と尊敬と信頼をもって従っていくようにと勧めています。
日頃の教会生活において、指導者に対する信徒の理解と協調は、神様の前に麗しいささげものとなるのです。
私たちが喜びと感謝の中に、お互いのために祈り、受け入れ合い、助け合うことは、先生方の牧会者としての重荷を分かち合い、軽くすることになります。
私たちは、聖書的な信仰と聖書的な価値観を身に着けることが大切です。それが私たちの聖書的な行動を生み出し、教会の健全な成長につながっていくからです。共に霊的成熟を求め、主の教会を建て上げてまいりましょう。
パウロは「あなたがたが、最初の日から今日まで、福音を広めることにあずかって来たことを感謝しています。あなたがたのうちに良い働きを始められた方は、キリスト・イスの日が来るまでにそれを完成させてくださることを堅く信じているのです。」(ピリピ1:5,6)と告白しています。
私たちも「キリストの日に完成させてくださる」主への信頼と確信の中に希望をもって前進したいと思うのです。

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