「現状を乗り越える信仰」 ヘブル11章30~31節

イスラエルの民が約束の地に定住するために苦闘していた際に起こった出来事です。
1.信仰のなすわざ
ヨシュアに導かれてイスラエルは約束の地へ定住を願い、悪戦苦闘していました。そこでエリコの陥落が起こりました。ヨシュア記6章にその記録があります。エリコは世界で最も古い高い城壁で囲まれた要塞都市で、とても攻め取ることが不可能とされていました。神はヨシュアに戦いについて詳細な指示を与え、町の周囲を1日1回6日間周り、7日目は7回周り、先頭の7人の祭司が角笛を長く吹き鳴らし、大声でときの声をあげるように命じます。民がその通り行ったその瞬間、城壁は崩れ落ちました。実に奇妙な軍事作戦です。しかしこれは、民の信仰と、神に従順に従う意思があるかどうかのテストであったのです。
2.ラハブの願いと信仰告白
エリコ陥落前、ヨシュアは2人の斥候にエリコの町を探らせています。そして遊女ラハブはこの2人を穏やかにかくまっています。周りの人々から白い目で見られていた彼女は真の神を信じていました。彼女は斥候に向かい「主がこの地をあなたがたに与えておられる・・主は、上は天、下は地において神であられる」信仰告白をしています。神の力を信じ、そのイスラエルの神に逃げ込んだラハブです。神は、不敬虔な者をも義と認めてくださるお方です。
3.信仰により開かれる前途
エリコの町の遊女であったラハブ、その汚れた生活のゆえに歴史の中にうずもれるはずの女性でした。しかしラハブは神を見い出し、神を信じた時から彼女の人生は輝きだし、花開いたのです。なんと遊女であったラハブは結婚へと導かれます。マタイ1章にはイエス・キリストの系図があります。そこにサルモンに、ラハブによってボアズが生まれ、・・・とあり、その家系からイエス・キリストが誕生します。ラハブは、イエス・キリストの血統において先祖なのです。ユダヤ人のすべての女性がうらやむ特権です。ラハブのように神の御腕の中に飛び込む人々を通して神様は働かれます。
信仰による生き方は、私たちを神のみことばの約束と希望に立たせ、人生と歴史を主の視点を持って展望できるように導いてくださるのです。

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